◇アジア太平洋地域2件の787型エンジン問題

ボーイング、ゼネラルエレクトリック(GE)及びロールスロイス(RR)は、8月14日にアジア太平洋地域で発生した2件のボーイング787型機のエンジンの問題について調査を行っている。

◇GE「トランスファーギアボックス」関連問題調査

GEは、東京発、オーストラリアのCoolangatta行きのジェットスター航空のボーイング787型機の乗員が飛行中に停止させたGEnx-1Bエンジンを分解し、検査を行っている。当該航空機には320人の乗客が搭乗しており、滑油圧力に関する警報が出たため、グアムに目的地を変更した。

GEによると、今のところ、今回の不具合が全てのエンジンを対象にサービスブリテンによって検査及び交換が進められているトランスファーギアボックスに関連する問題であるかどうか見当を付けられる段階ではなく、「更なる調査が必要である」という。

◇ピニオンギアを設計し直した

問題が発生した特定のギアボックス(と同じギアボックス)を装備した600台のGEnxエンジンの半数以上が、既に新しく改修されたギアボックスへの交換を済ませており、GEは年末までに当該600台のエンジン全ての改修が終了すると見込んでいる。

このギアボックスの問題は、ギアボックス内部のピニオンギアの摩耗によって過度な振動が発生し、最終的にエンジンの停止に至ることが分かっている。GEは、問題の解決のために、ピニオンギアを設計し直したとしている。

◇RR「Trent 1000エンジン」大きな爆発音

一方、RRは、ボーイング及び全日本空輸とともに、上海行きのボーイング787-8型機が成田国際空港において離陸を中止することとなったTrent 1000エンジンの故障の原因を調査している。この事案では、離陸滑走を開始したおよそ10秒後に、左エンジン(第1エンジン)において大きな爆発音がするととともに、同エンジンのイグゾーストノズル及びバイパスダクトから炎が発生した。 (Aviation Diary 160822)