7 おわりに
最後に、線量限度について誤解のないようにひとことだけ述べておきます。この値は個人の被曝線量の上限値、すなわち「この値を超えて放射線被曝するようなことがあってはならない」ものとして定められているものです。ある値を定めると、「この値までは許されるんだな」とついつい思い込みがちですが、線量限度はそういう性格のものでは絶対にないということを、しっかりと覚えておいて下さい。だからこそ、年間線量限度が50ミリシーベルトと定められているにもかかわらず、原子力発電所の労働者の年間被曝線量は約1ミリシーベルトの水準にとどまっているわけです。「無用な放射線被曝はできるだけ避ける」、「避けることのできない放射線被曝は、被曝線量をできるだけ低くする」という放射線防護の原則がここでも貫かれているのです。
いよいよ本当に最後になりました。来るべき現行法令の改正にそなえて、わが国における航空機乗務員の宇宙線に起因する放射線被曝線量の実態を調査し把握しておくことは、基礎資料として大変に重要であると思います。本来なら、こうした調査活動は政府や雇用者の責任において行われるべきものであると思います。日乗連としては、政府や雇用者がこうした調査活動を早急に誠実に行うよう要求していくことが必要です。同時に、可能ならば、日乗連としても航空機乗務員の宇宙線に起因する放射線被曝線量の実態を調査し把握しておくことは、いろいろな意味で有益であると思います。この会場にいる方はもちろん、いない方も含めて、この問題に関心を持っている航空機乗務員の方がたが、日乗連の調査活動に協力して下さることを心から訴えて私の話を終わります。