全日空乗員組合の「国際線無期限ストライキ延期」について(共同声明)

 

全日空乗員組合は6月9日から実施を予定していた、「B747−400による国際線の乗務拒否」ストライキの通告を延期しました。

全日空経営者は4日、平成8年度におこなった新賃金体系強行による減額分全額の清算、会社が強行中の賃金体系について一部見直しの検討、本業への専念、関連事業の整理など経営再建策実施についての再度の表明などを、文書で回答しました。

減額分賃金の清算は、全日空乗組が、正常な労使関係を回復して、労働条件改定交渉を再開するために要求した重点の一部でした。全日空乗組はこの回答を一定度評価する立場から、6月9日から実施を予定していた、「B747−400による国際線の乗務拒否」ストライキの通告を留保し、ストライキの開始を延期したのです。

4日に提示された回答は、全日空経営者が乗員組合との労使関係を正常化させる意思表示と受け止めますが、具体的にこの回答が実践されるかどうかは、まだ今後の推移を確かめねばなりません。

これまでの労使紛争のもっとも大きな原因であった、乗務員の労働条件については、解決案は示されていませんし、現状では会社が昨年10月1日に提案した賃金制度が強行されたままです。

要約すれば、経営者が正常な労使関係への回復努力を表明してはいるものの、具体的実践は今後の問題であり、何よりも基本的問題である、法違反の是正を含めた労働条件交渉再開については、明確な意志表示がなく、会社案の強行状態が継続している、ということであります。

したがって、全日空乗組は、会社の回答には一定の評価を行ったうえで、ストライキの実施を延期する、との判断をしたのです。

労使対等の立場で、誠実な交渉を通じて労働条件の変更に合意すべきこと、法違反を根絶し、合法的で道理のある労働条件を作成すべきこと、および、収支構造、財務体質を極端に悪化させた経営者の責任を曖昧にしたままの労働条件切り下げは、経営の健全化という点で認められないということなど、全日空乗組が行った一連の争議行為によって提起されたことがらは、すべての航空労働者に共通する基本的課題であり、私たちが全日空乗組の要求と運動を全面的に支持した所以です。

全日空経営者が、真に労使関係の安定を望んでいるのであれば、航空運送事業の安全性と公共性を維持・発展させる観点から、大いに歓迎します。同時に、基本的労働条件にかかわる誠実な労使交渉を早急に開始して、新たな労働条件を作成することを心から念願します。

しかし、日本航空や日本トランスオーシャン航空においては、正常な労使関係に回復する兆しは、未だに見えていません。『法律を守らず、労働協約を一方的に破棄して、労使関係を自ら破壊する』

という日本航空経営者の姿勢は、世界にも類を見ない、きわめて異常なものです。「規制緩和」を口実として、このように労使関係を悪化させる経営政策は、航空運送事業の公共性と安全性を、著しく後退させます。

 私たちは日本航空および日本トランスオーシャン航空経営者が、全日空経営者にまして、労使関係の正常化にむけて、誠実な態度に立ち戻るよう強く要望します。また、日本エアシステムの経営者に対しては、今般の全日空における労使紛争を教訓として、現在進行中の労働条件交渉を、実りあるものにするために最大限の努力を傾注することを望んでやみません。

以上

                                  1998年6月8日

                                  日本乗員組合連絡会議

                                  航空労組連絡会

日乗連ホームページへ